ehada | カスタマイズレッツノート15周年記念デザイン | パナソニック公式通販サイト - Panasonic Store
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デザインコンセプトに“Functional Beauty”、すなわち“機能美”を掲げるレッツノートは、100キロの加圧に耐えるストライプボンネットと、操作性の高い円形ホイールパッド、キー入力を快適にするリーフ型キーボードを実装し、堅牢な外装と使いやすいデザインを兼ね備える優れた道具として、日本のビジネスシーンを支えてきました。

今回のレッツノートとPIGMENTのコラボプロジェクトは、天板デザインの制作にPIGMENTが協力することで、論理的・分析的、すなわち左脳的にデザインされたレッツノートに右脳的なデザインを融合させ、より魅力的な製品を生み出すことが狙いです。

本ワークショップが開催されたPIGMENTの店内は多種多様な画材が並び、とりわけ壁面に列をなすカラフルな顔料の瓶が特徴的な空間です。
それぞれの技法をレクチャーする講師たちは現役のアーティストなので、普段彼らがアートを生み出していく過程を追体験できる貴重な機会でもあります。 最初にPIGMENTの所長・岩泉氏により、様々な種類の筆や、動物の皮や骨髄からとれる膠、黒だけではなく実は青みや赤みを含む墨、天然の石を素材とする硯(すずり)、そしてアクリル絵具・岩絵具・油絵具など、基本的な画材に関するレクチャーが行われました。

続いて絵具のつくり方が実演されました。今回はヨーロッパスタイルで実施され、大理石の板の上に顔料を置き、糊の役割を果たす樹脂と、保湿剤であると共に防腐効果もある蜂蜜を混ぜて練ることで、自分好みの絵具が出来上がります。
混色による効果やパステル調にするコツなどの説明の後、参加者様による実技の時間に入りました。

Cracking
レザーのひび割れ加工を思わせるのは、絵具を意図的に割る「クラッキング」。まず色を塗り、乾ききらないうちに別の色を塗り合わせた後、乾燥させます。すると上下の絵具の乾燥の速さが異なり、上の方が速く乾くために割れ目が生まれるのです。
割れ目はブロック形や蜘蛛の巣のような放射状など、糊によって形状が異なります。また表面に触れてみると、顔料の粒や刷毛の目が分かるという面白さも。見た目のハードな格好よさのほか、材料の質感や偶然が生み出す形の変化を味わうことができる技法です。
Glass stroke
ガラス棒を使う「グラスストローク」は、棒に振り子運動をさせ、端で色を混ぜる技法。赤・青・黄の三原色や正反対の色を選択すると色の違いが際立ち、棒が軌跡を描くことで躍動的な線が描かれ、予想できない色や線が生まれます。紙の部分を多く残し、紙の白さをアクセントとして活かすことも可能です。
棒に振り子運動をさせる時は、コントロールせずにリラックスすることがコツですが、無意識に手を動かしながらも、絵全体をチェックするために時々意識を戻す必要もあるのがこの技法の難しいところであり、また楽しさを発見できる点でもあります。
Squeegee
「スキージ」とは版画で使う刷り道具のことで、一般的にヘラと呼ばれるものですが、技法の名前でもあります。好きな色をつくって紙に乗せ、ヘラで延ばしたり、片側に寄せたりすることで重層的な仕上がりになります。
1色を使って乾かすことも、同時に2~3色乗せることも、一気に描いて動的でダイナミックな雰囲気にすることもできる柔軟性がスキージの魅力。まずヘラを小さく動かしてきれいな部分をつくり、自分好みの色や形を吟味して色の使い方に慣れた後、ヘラを縦横無尽に動かしていくと、スキージの多彩な表現を楽しむことができます。
Sumi-nagashi
画材が偶然つくり出す模様を活かすのが「墨流し」という技法です。紙に糊を流し込んで色を乗せ、さらに糊を加えて動かします。紙の傾け方や動かし方を工夫することで絵も変わっていきます。糊の上に生まれた模様を絵として活用するのですが、竹串などを使って糊や色を動かし、ラテアートの要領で自分の好きな形を生み出すこともできます。
混ぜすぎると模様や形が消えてしまうので確かめながら動かす必要があり、大胆さと繊細さの両方を必要とする技法ですが、うまくいくと自然界の大理石のような驚異に満ちた模様を堪能することができます。
Haboku
「破墨」という技法の名前は、墨の上に濃度の異なる墨を垂らすと、墨が墨を破るように見えることに由来します。滲みをつくって表現とするので、墨の濃淡や水の動きに任せる要素が大きい技法です。水を多く含むため、紙の皺やへこみを見極めて描く必要がありますが、時間の経過と共に墨の粒子が動いて雰囲気が変わる様子を味わうことができます。
筆の感覚や動きが分かりやすいので、紙の上に筆を落としてドリブルするような感覚で筆を動かしたり、立ち上がって描いたりと、自分のリズムを見つけることで「描く」という行為そのものを楽しめる技法でもあります。
White
「破墨」と逆の方法で描く技法が「白抜き」です。先に白色を塗った後で別の色を乗せると、白を塗った部分には色がつかずに残るマスキングの効果を利用します。白の濃度によって色の抜けを調整し、仕上がりを加減することが可能です。
白抜きでは筆を変えてみたり、文字を描いてみたりと、様々な試みができますが、枠にはまった自分を解放して無心になることで良い結果が生まれることも。
白抜きによって色が抜かれる、つまり「描かれない」部分を考えるので、遊びの要素を備えると共に、想像力を鍛えることもできる技法です。

最初は迷いながら手を動かしていた参加者の方々も、講師たちのアドバイスを受けながら、次第に自分のペースを獲得していきます。そして自分の技法を見つけ、一人で没頭したり、講師に相談したり、周囲とおしゃべりしながら意見を取り入れたりと、その人らしい方法で、自由に制作を進めていきました。参加者の方々は、具体的なイメージを早い段階で決める人、無意識に任せる人、いろいろな色を楽しむ人、モノトーンの方が得意な人など彩り豊かで、個人の好みや性格は絵にはっきりと反映されていました。

ワークショップの場には、素敵な作品を仕上げたいという前向きな意識と、純粋に絵を描く行為を楽しもうとするクリエイティブな空気が流れていました。「普段手に取らない色を使えたので楽しかった」「色とつくったり、混ぜたりする過程が新鮮で面白い」といった、日常でなかなか得られない体験に対する好意的な反応と共に、好みの技法や感想など、参考となるフィードバックをいただくことができました。

ワークショップ参加者のみなさまからいただいたご意見を踏まえて検討した末、
今回は「墨流し」「破墨」「スキージ」「グラスストローク」「クラッキング」の5技法を選定。
お客様の多様な個性に応えるレッツノート「ehada」シリーズが完成しました。
絵肌は見た目の美しさをそなえているだけではなく、紙や筆の素材感や顔料の質感、
仕上がりの肌触りなど、人の感覚に訴えるもの。
“偶然性の美”という新しい価値が加わって、より感性を揺さぶる新しいレッツノートの展開に是非、ご期待ください。